Catalystスイッチ FlexLinkによる冗長化設定

Network

FlexLinkは、任意のスイッチポートをバックアップポートに指定し、経路を冗長化することを目的とした技術です。

FlexLinkの仕組み

FlexLinkとは、2つのスイッチポートでアクティブ(稼働状態)とスタンバイ(待機状態)の二つ一組を作り、スタンバイのポートをアクティブのポートのバックアップとして動作させる技術です。

FlexLinkは、STP(Spanning Tree Protocol)が利用できない環境での経路の冗長化を実現します。そのため、FlexLinkが有効なポートではSTPが無効になります。

設定可能なCatalystスイッチ例

  • Catalyst 2960
  • Catalyst 3560
  • Catalyst 3560E
  • Catalyst 3750
  • Catalyst 3750E
  • Catalyst 3850

※Catayst 2960シリーズは LAN-Baseイメージで対応してます。

使用するネットワーク機器は、Catalyst 2960Gになります。

通信環境の想定

設定の概要

設定の主な手順は、以下の通りです。

  1. スタンバイのポートを指定します。(switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 コマンドを使用)

  2. アクティブのポートが障害から復旧した際に自動的に再びアクティブに切り戻るように設定します。(switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption mode forced コマンドを使用)

  3. アクティブのポートの切り戻り時間を設定します。ここでは、3秒後に自動的に切り戻るように設定をします。(switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption delay 3コマンドを使用)

  4. アクティブのポートがダウンし経路が切り替わったら、瞬時に自身のMACアドレステーブルのアップデート情報を他のスイッチに送信するように設定をします。
    (mac address-table move update transmit コマンドを使用 )

  5. MACアドレステーブルアップデート情報を他のスイッチが受信できるようにします。
    (mac address-table move update receive コマンドを使用)

EtherChannelの設定例

L2SW01の設定

L2SW01> enable
Password:
L2SW01# configure terminal
L2SW01(config) # interface GigabitEternet 0/1
L2SW01(config-if) # switchport backup interface GigabitEthernet 0/2
L2SW01(config-if) # switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption mode forced
L2SW01(config-if) # switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption delay 3
L2SW01(config-if) # exit
L2SW01(config) # mac address-table move update transmit
L2SW01(config) # end
L2SW01# copy running-config startup-config

設定のキーとなるコマンドの解説1

  1. switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 コマンドを使用して、スタンバイにするインターフェースを指定します。

  2. switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption mode forced コマンドを使用して、Activeのインタフェースが復旧した際にActiveのインタフェースが切り戻るようにします。

  3. switchport backup interface GigabitEthernet 0/2 preemption delay 3 コマンドを使用して、Activeのインタフェースが3秒後に切り戻るように設定します。

  4. mac address-table move update transmit コマンドを使用して、Activeのインタフェースがリンクダウンし、Standbyのインタフェースに切り替わったり、復旧してActiveのインタフェースに切り戻った際に自身のMACアドレステーブルアップデート情報の送信をする設定します。

L2SW02の設定

L2SW02> enable
Password:
L2SW02# configure terminal
L2SW02(config) # mac address-table move update receive
L2SW02(config) # end
L2SW02# copy running-config startup-config

L2SW03の設定

L2SW03> enable
Password:
L2SW03# configure terminal
L2SW03(config) # mac address-table move update receive
L2SW03(config) # end
L2SW03# copy running-config startup-config

設定のキーとなるコマンドの解説2

mac address-table move update receive コマンドを使用して、L2SW01から送信されるMACアドレステーブルのアップデート情報を受信するように設定します。

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